初めての台湾旅行、楽しみな気持ちの一方で「何に気をつけたらいいの?」「日本と違うルールはあるのかな?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。実は台湾は、親日的で治安も比較的良く、初めての海外旅行先としても人気の高い国です。
とはいえ、トイレ事情や交通ルール、現地でのマナーや習慣など、日本とは違う点もたくさんあります。事前に知っておくことでトラブルを防ぎ、より快適に、そして現地の人たちとも気持ちよく交流することができます。
この記事では、台湾旅行で気をつけるべきことを初心者向けにわかりやすくまとめました。治安情報から衛生対策、ネット環境、服装の選び方まで、現地の最新事情もふまえて丁寧に解説しているので、出発前のチェックリストとしてもぜひ活用してください。
- 台湾旅行で注意すべき治安・マナー・文化の違いがわかる
- 現地のトイレ・水・ネット環境など生活面の対策が理解できる
- 現金・クレカ・服装など、準備に必要な実用情報が整理できる
- トラブル発生時の対応方法や日本語サポート窓口が把握できる
台湾旅行で気をつけることを出発前にチェックしよう
- 台湾の安全レベルと気をつける場所
- トイレットペーパーは流せる?公共トイレの特徴
- 水道水は飲めるの?ペットボトル購入のタイミング
- ネット環境を確保する方法
- タクシー・MRT利用時の注意点
台湾の安全レベルと気をつける場所

台湾はアジアの中でも比較的治安が良いとされており、2024年の世界平和度ランキングでは38位に位置しています。観光地や都市部では警察のパトロールも頻繁に行われており、防犯カメラの設置も進んでいるため、初めての旅行者でも安心して滞在できる環境が整っています。信義区や台北101周辺などは夜遅くまで比較的安全とされており、多くの旅行者にとって快適に過ごせるエリアです。
とはいえ、日本より犯罪発生件数はやや高く、特にスリやひったくり、置き引きなどの軽犯罪には注意が必要です。人混みが集中する台北駅周辺や士林夜市、西門町などでは、荷物の管理を怠ると被害に遭いやすくなります。また、SNSやマッチングアプリを通じた詐欺、いわゆる「ロマンス詐欺」や「投資詐欺」などにも注意しましょう。特に「絶対儲かる」といった甘い誘いは避けるのが賢明です。
台湾では歩行者優先の意識があまり高くなく、バイクが車道・歩道を問わず走行するケースも見られます。信号が青でも左右からバイクが飛び出してくることがあるため、横断歩道を渡る際は常に周囲を確認する習慣を持ちましょう。特に夜間は視界が悪くなるため、明るい服装や反射材を身につけておくと安心です。
また、万華(ワンファ)地区や龍山寺周辺は、歴史ある地域で観光スポットもありますが、夜間には歓楽街特有のトラブルが発生しやすいため、女性の一人歩きなどは控えた方がよいでしょう。台中駅周辺など外国人労働者が集まる地域でも、深夜や裏通りは避けるのが無難です。
安心して旅行を楽しむためには、貴重品は常に体の前で持ち、バッグの口をしっかり閉めることが基本です。タクシーを利用する際には必ずメーターがあるか確認し、怪しい雰囲気を感じたら乗車を見送る勇気も大切です。夜市では値段が明示されていない商品には注意し、強引な客引きには毅然とした態度で対応しましょう。
トイレットペーパーは流せる?公共トイレの特徴

台湾旅行で地味に戸惑いやすいのがトイレ事情です。日本のようにどこでも清潔で紙があるとは限らず、しかも「トイレットペーパーを流せるかどうか」は場所によって異なります。特に初めての方にとっては、トイレに入ってから「これ流していいの?」と戸惑う場面も多いので、事前に基本を知っておくと安心です。
近年では、MRT駅や空港、大型ショッピングモール、高級ホテルなど近代的な施設では「紙が流せるトイレ」が増えてきました。流せる場合は「可沖式」や「紙可丟入馬桶」などの中国語表記が貼られており、ゴミ箱がないことも多いです。逆に、ゴミ箱が備え付けられている場合は、紙を流さず捨てるのが原則。これは排水管の細さによる詰まり防止のためで、古い建物や屋外トイレでは特に注意が必要です。「請勿丟入馬桶」と書かれていれば、必ず従いましょう。
また、台湾の公共トイレにはいくつか特徴があります。まず、入り口に紙が備え付けられていて、そこから必要分を取って個室に持ち込むスタイルが一般的です。中にペーパーがないこともあるため、ポケットティッシュを常備しておくと安心です。さらに、清潔さのレベルは場所によってまちまち。百貨店や空港は問題ありませんが、夜市や公園などでは便座が濡れていたり、土足の跡があったりすることもあります。気になる方は除菌シートや携帯用便座シートが役立ちます。
日本と違ってウォシュレットはあまり普及していませんが、高級ホテルや一部の新しい施設では導入が進んでいます。あまり期待はしない方がいいかもしれません。コンビニもトイレを借りられる場合がありますが、日本のようにどの店舗でも使えるわけではないため、入り口にトイレマークがあるか確認しましょう。
台湾では細かい点に注意すれば、トイレも快適に利用できます。特に「紙を流していいかどうか」を確認する習慣をつけておくことで、トラブルを防げます。表示とゴミ箱の有無をしっかり見て、状況に応じた使い方を心がけましょう。
水道水は飲めるの?ペットボトル購入のタイミング

台湾の水道水は、法律上は飲料基準を満たしており「飲んでもOK」とされていますが、旅行者がそのまま飲むのは避けた方が無難です。なぜなら、浄水場から出る水は安全でも、古い水道管や建物の貯水タンクの衛生状態にばらつきがあり、蛇口から出てくる水の品質に不安があるからです。特に台風や地震の後は水道管の破損によって濁った水が出ることもあり、現地の人でも直接飲む習慣はあまりありません。
歯磨きや洗顔、うがいに使う程度なら問題ないとされていますが、特に胃腸が敏感な方や小さなお子さんがいる場合は、ペットボトルの水を使った方が安心です。旅行中は体調管理も大事なポイントなので、無理は禁物です。
ペットボトルの水は、台湾のどこでも簡単に手に入ります。セブンイレブン、ファミリーマート、全聯(PX Mart)、カルフールなどのスーパーやドラッグストア、MRT駅の売店でも購入できます。価格は500~600mlで15~20元(約70〜100円)、1.5Lで17元程度、6Lの大容量ボトルは47元前後です。コンビニで買うなら少し割高ですが手軽さが魅力です。
到着後すぐに空港や駅で1本購入しておくと、ホテルまでの道中や手続き時に役立ちます。また、台湾は湿度が高く暑い日が多いため、観光前にこまめに購入して持ち歩く習慣をつけましょう。長期滞在なら、大型スーパーで6Lのボトルを買い、ホテルの部屋で小さな容器に詰め替えて使うのが経済的です。
また、台湾では無料で利用できるウォーターサーバー(飲水機)が公共施設や学校、ホテルのロビーなどに設置されています。ボトルを持参して汲むスタイルも一般的です。特にバックパッカーやリピーター旅行者は、この飲水機を上手に活用しています。
「自來水」と書かれたものは水道水をろ過したもので安価ですが、気になる人は「礦泉水(ミネラルウォーター)」を選ぶと安心です。ラベルに成分や採水地が記載されていることが多いので、購入時にチェックしましょう。
台湾では水を買うことが普通なので、外出時には必ずペットボトルを持ち歩くのが基本です。こまめな水分補給と衛生的な習慣を守れば、快適な旅を楽しむことができます。
ネット環境を確保する方法

台湾旅行中に快適にネットを使いたいなら、事前の準備がとても大切です。台湾は観光インフラが整っているため、さまざまな方法でインターネット接続が可能ですが、自分に合った方法を選ばないと不便や無駄な出費につながります。ここでは4つの主要なネット接続方法を紹介し、それぞれの特徴を整理します。
まず一番人気なのが「ポケットWi-Fiのレンタル」です。日本国内で事前に予約して空港で受け取り、そのまま台湾で使えるタイプが主流です。通信速度が安定していて、複数人で共有もできるため、友達や家族との旅行にぴったり。1日あたり500円程度から利用できるものもあり、バッテリーさえしっかり管理すれば非常に便利です。なお、最近では「使用日数に応じた料金」で、使わない日は費用がかからないサービスも出てきています。
次におすすめなのが「現地SIMカード」の利用です。桃園空港、台北松山空港、高雄空港などの到着ロビーでは、複数の通信会社がブースを設けており、プリペイドSIMカードをすぐに購入できます。3日で300台湾ドル(約1,300円)ほど、7日間で500元前後が相場で、データ無制限プランも選べます。特に中華電信や台湾モバイル、遠傳電信などの大手は通信品質も安定しています。eSIMにも対応しているので、日本で事前に設定しておけば到着直後からネットが使えます。ただし、SIMカードの入れ替えが必要なので、スマホのSIMロック解除と少しの設定スキルは必要です。
日本のスマホを使い続ける「国際ローミング」も選択肢ではありますが、料金が高めなのが難点。docomo、au、SoftBankなどが提供するパケットパックを利用すれば多少安くなる場合もありますが、それでもコストパフォーマンスでは他の方法に劣ります。短時間だけ使いたい場合や、設定に不安がある方には向いているかもしれません。
無料で使える「フリーWi-Fi」も多く存在します。桃園国際空港や台北のMRT駅、カフェ、ホテル、コンビニでは「TPE-Free AD WiFi」や「iTaiwan」「7-WiFi」などのネットワークが利用可能です。ただし、セキュリティ面でのリスクや通信の不安定さ、接続時間の制限などがあるため、重要なやりとりには使わない方が良いでしょう。簡単な地図検索やSNSチェックなどに活用する程度に留めるのが安全です。
旅行前にAmazonや楽天市場でプリペイドSIMを購入しておくのもひとつの手です。eSIM対応スマホなら、アプリから即時開通もできるので、空港でのやりとりを省けるメリットもあります。空港で現地SIMを購入する際は、パスポートと入境スタンプ(または搭乗券)が必要になりますので、すぐ取り出せるように準備しておきましょう。
台湾は全体的にネット環境が良好なので、旅行者は自分の旅のスタイルやデバイスの仕様に応じて、SIMカードやWi-Fiレンタルを柔軟に選ぶのがベストです。出発前にしっかり準備しておけば、現地で慌てることなく安心してネットが使えますよ。
タクシー・MRT利用時の注意点

台湾の移動手段はとても便利で、旅行者にもやさしい設計になっていますが、日本とは異なるルールやマナーがあるため、事前に知っておくと安心です。特にタクシーとMRT(地下鉄)を利用する機会は多いので、それぞれの注意点を押さえておきましょう。
まずタクシーですが、台湾のタクシーは自動ドアではなく手動です。乗るときも降りるときも自分でドアを開け閉めする必要があり、特に降車時は後方から来るバイクや車に注意が必要です。台湾はバイクが非常に多く、思わぬ接触事故の原因にもなりかねません。
もうひとつ重要なのがシートベルトの着用義務です。前席だけでなく後部座席も着用が義務付けられており、違反すると乗客側にも罰金が科されることがあります。日本ではつい忘れがちですが、台湾では必ず締めましょう。
乗車したらまず確認すべきはメーターです。タクシーの料金は基本的にメーター制ですが、まれにメーターを使わずに料金をふっかけるケースもあるため、メーターが作動していない場合はすぐに指摘してください。心配な方は「Uber」や台湾発の配車アプリ「LINE Taxi」の利用もおすすめです。
正規のタクシーには、車体に会社名・連絡先が書かれていたり、車内に運転手の登録証が掲示されていたりします。不審な車両や、いわゆる「白タク」はトラブルのもとになるので避けましょう。目的地を伝える際には、スマホで地図を表示したり、中国語で書いたメモを見せるとスムーズです。英語が通じない運転手も多いため、事前準備が役立ちます。
一方、MRT(地下鉄)は台湾の都市部を網の目のようにつなぐ便利な交通手段です。全駅でエレベーターや案内表示が整備されており、旅行初心者でも迷いにくいのが特徴です。ただし、ルールやマナーは日本とかなり異なります。
最大の注意点は「飲食禁止」です。駅構内や車内では、水やガム、飴すらNGで、違反すると最大7,500台湾元(約35,000円)の罰金が科されることがあります。改札前の黄色い線を越えた瞬間から飲食禁止エリアになるので、ペットボトルの水も手に持たない方が無難です。
MRT内には「博愛座」と呼ばれる優先席があり、紺色の座面が目印です。健康な大人が座るのはマナー違反とされており、たとえ空いていても避けるのが望ましいです。現地の人もこのマナーにとても敏感です。
また、平日の朝晩は通勤ラッシュで混雑します。特に台北駅や忠孝復興駅など主要駅では乗り降りが激しく、スリや押し合いでトラブルが発生しやすい時間帯です。荷物は体の前で持ち、ポケットにスマホや財布を入れないようにしましょう。
乗降時は整列乗車が基本で、降りる人を先に通すのがマナーです。構内では禁煙が徹底されており、車内での通話や大声での会話も控えるようにしましょう。
台湾は右側通行で、歩行者より車優先の意識がまだ強い傾向にあります。たとえ青信号でも、右折車やバイクが進入してくることが多いため、横断歩道では必ず左右を確認してから渡るようにしましょう。
こうした点を意識するだけで、台湾での移動はずっとスムーズで快適になります。ほんの少しのマナーと注意で、トラブルを避けて安心して楽しめる旅になりますよ。
台湾旅行中に気をつけることを現地で体感しよう
- 夜市での注意点・食べ歩きマナーと衛生面
- コンセント・電圧は?
- マナー・習慣
- 日本語は通じる?便利な中国語フレーズ
- クレジットカード事情と現金の使い分け
- 季節ごとの持ち物対策
- トラブル時の対処法
夜市での注意点・食べ歩きマナーと衛生面

台湾旅行で絶対に外せないのが夜市の食べ歩きです。士林夜市、寧夏夜市、饒河街夜市、六合夜市など、各地に個性的な夜市があり、ローカルグルメを気軽に楽しめるスポットとして大人気です。ただし、日本と比べて独自のマナーや衛生面での注意点があるため、事前に知っておくとより安心して楽しめます。
まず食べ歩きのマナーについてですが、台湾の夜市では「歩きながら食べる」ことが一般的なスタイルです。屋台の多くは座席を備えておらず、その場で受け取ってすぐ食べるのが通常。メニューは写真付きのことが多く、中国語が分からなくても指差しで簡単に注文できます。会話が苦手でも「これください」と指をさせば通じる場面が多いのも旅行者にはうれしいポイントです。
ただし、夜市は非常に混雑しているため、立ち止まると人の流れを妨げてしまうことがあります。食べるときは通路の端に寄ったり、建物の前のスペースなどに移動してから食べるように心がけましょう。また、ゴミ箱の数が限られているため、小さなビニール袋を持参してゴミを自分で持ち帰る意識が大切です。ウェットティッシュも必携アイテムで、手や口が汚れてもサッと拭けて便利です。
衛生面に関しては、日本と同じ感覚でいると少し驚くことがあるかもしれません。特に注意したいのが「カットフルーツ」。高温多湿の台湾では、屋台で長時間むき出しで置かれているフルーツは雑菌が繁殖しやすく、地元の人でも敬遠する人が多いです。カラフルで美味しそうに見えても、リスクが高いため避けるのが無難です。
同様に「生牡蠣」などの生ものも注意が必要です。信頼できるお店か、衛生状態の良い店舗を選ぶことが前提で、できれば加熱調理されたもの(焼き牡蠣など)を選ぶと安心です。衛生に対する不安がある方は「衛生認証制度」に注目しましょう。台北市などでは、夜市の一部店舗に対して衛生評価が行われており、「金賞」「銀賞」などのステッカーが貼られている店舗は一定の基準を満たしていることを示しています。
その他、夜市では現金しか使えない屋台がほとんどなので、事前に小銭を多めに用意しておくとスムーズです。また、公衆トイレは少ないため、出発前にホテルや駅で済ませておくのがおすすめです。ティッシュや除菌ジェルも携帯しておくと、衛生対策として役立ちます。
最後に、夜市ではスリの被害も発生しやすいため、荷物の管理はしっかりと。リュックは前掛けにする、ポーチは身体に密着させるなど、防犯意識も忘れずに持っておきましょう。
台湾の夜市は、地元の人と同じようにグルメを楽しむ最高の機会です。ちょっとしたマナーと衛生対策を心がけることで、より安全で楽しい夜市体験ができるはずです。
コンセント・電圧は?

台湾旅行で意外と見落としがちなのが、コンセントと電圧の違いです。スマホやカメラ、ドライヤーなど、普段使っている電化製品を現地でも使いたいという方は多いと思いますが、日本との違いを把握しておかないと「充電できない」「壊れてしまった」というトラブルに遭遇する可能性があります。
まず、台湾のコンセントの形状は基本的に日本と同じ「Aタイプ(平行2本ピン)」です。そのため、ほとんどの日本製電化製品は変換プラグなしでそのまま差し込んで使用できます。ホテル、カフェ、空港など、主要な施設ではまず問題ないでしょう。実際、私も台北や高雄、台中のホテルやゲストハウスに宿泊した際、すべてAタイプで利用できました。
ただし、ごくまれにCタイプ(丸ピン)やOタイプ(ハの字型)を採用している施設が存在することもあります。特に古いホテルや民宿、地方の個人宅に近いタイプの宿などではその可能性があります。そんな時に備えて、世界対応のマルチ変換プラグを一つ持っておくと安心です。軽量で安価なものも多く、かさばらないのでスーツケースに一つ忍ばせておくと心強いアイテムです。
次に、電圧の違いについて。台湾の電圧は110V・周波数60Hzで、日本は100V(東日本は50Hz、西日本は60Hz)です。この差はわずかなので、多くのデジタル機器(スマートフォン、ノートパソコン、カメラの充電器など)は「100V~240V」対応で、台湾でも問題なく使えます。
重要なのは、ドライヤーやヘアアイロン、炊飯器などの100V専用製品です。これらを台湾の110Vで使うと過電流が原因で故障したり、最悪の場合発火する恐れもあります。旅行用にこれらの家電を持参したい場合は、まずアダプタや本体に記載されている電圧範囲を確認しましょう。「AC100V~240V」と記載があれば、変圧器は不要です。一方、「AC100Vのみ」となっていれば、変圧器を使わなければなりません。
私自身も過去にヘアアイロンを現地で使おうとしたところ、対応電圧を確認せずに差し込んでしまい、すぐに壊してしまった経験があります。それ以来、旅行用には電圧対応済みの小型家電を使うか、ホテルの備品を利用するようにしています。
また、台湾ではホテルやゲストハウスでコンセントの数が少ないこともあるため、複数台同時に充電したい場合はUSBポート付きのマルチ充電器もおすすめです。スマホ、モバイルバッテリー、カメラのバッテリーなどを一気に充電できて便利です。
つまり、台湾での電源環境は日本に非常に近いため、基本的には心配いりませんが、油断せずに持参する機器の電圧とコンセント形状を出発前に確認することが快適な旅行のコツです。ちょっとした準備で、現地でも安心して電子機器を使うことができますよ。
マナー・習慣

シーン | やってはいけないこと | 理由・補足 |
---|---|---|
公共交通機関 | MRTやバス車内での飲食 | 水・ガム・飴もNG。違反すると罰金(最大約35,000円) |
優先席に座る(若者や健康な人) | 対象者が来たら必ず譲る。空席でも座らないのがマナー | |
電車・駅構内で大声を出す | 周囲に不快感を与える。静かに過ごすのが一般的 | |
食事中のマナー | 麺類やスープをすする音を立てる | 台湾では「音を立てて食べる」は下品とされる |
食べ物を残す | 作った人への敬意を欠くと受け取られることがある | |
贈り物・文化習慣 | 時計をプレゼントする | 「時を送る=死を送る」と発音が似て縁起が悪い |
白封筒でお金を渡す | 白封筒は香典を意味するため、祝い事では赤封筒を使用 | |
ジェスチャー | 月や人を指さす | 月を指すと「耳が切れる」という迷信があり、人を指すのも無礼 |
喫煙 | 指定場所以外での喫煙 | 室内や公共の場は全面禁煙。違反で罰金の可能性あり |
トイレ | 紙を流す(古いトイレ) | 詰まりやすいため、備え付けのゴミ箱に捨てる |
エスカレーター | 左側に立つ | 台湾では右側に立ち、左側を空けるのが基本 |
このように、日本とは少し違うマナーや文化が台湾にはあります。知らずに失礼な行動をとってしまわないよう、上記を意識しておくと安心です。
日本語は通じる?便利な中国語フレーズ

台湾を旅行していると、「日本語はどこまで通じるの?」という場面に必ず出会います。結論から言うと、日本語が通じる場所と通じない場所がはっきりと分かれています。台北や高雄といった大都市、観光スポット、ホテルのフロントなどでは比較的日本語が通じることが多く、安心感があります。一方で、ローカル食堂や夜市、バスやタクシーではほとんど通じないと思っておいた方がいいでしょう。
たとえば、台北101や故宮博物院、九份など観光客が多く集まる場所では、日本語のパンフレットや案内板が用意されていたり、日本語を話せるスタッフがいることもあります。また、MRT(地下鉄)では日本語の表示やアナウンスがある路線もあり、移動中の不安はあまりありません。
ただし、夜市や地元民が集まるローカル食堂、地方のバス運転手など、一般の人々がいる場所では、日本語はほとんど通じません。台湾の人たちは親日的な人が多く、日本語に興味を持っている人も多いのですが、実際に会話ができる人は限られています。ですので、漢字を書いて見せたり、翻訳アプリを活用したりといった工夫が必要になります。
筆談は非常に有効な手段です。台湾も日本と同じ「繁体字漢字」を使っているため、簡単な地名や名詞を書くだけでも意思疎通がしやすくなります。私自身、タクシーで場所を伝える際に漢字で書いたメモを見せたことでスムーズに目的地に到着できたことが何度もあります。
また、ちょっとした中国語のフレーズを覚えておくだけでも、ぐっとコミュニケーションが楽になります。以下は旅行中によく使う表現と発音をまとめたものです:
旅行中によく使う便利な中国語フレーズ(繁体字/発音)
日本語 | 中国語(繁体字) | 発音(カタカナ) |
---|---|---|
こんにちは | 你好 | ニーハオ |
おはよう | 早安 | ザオアン |
さようなら | 再見/拜拜 | ザイチェン/バイバイ |
ありがとう | 謝謝 | シェシェ |
すみません | 不好意思 | ブーハオイースー |
ごめんなさい | 對不起 | トゥイプチー |
はい/いいえ | 是/不是 | シー/ブーシー |
わかりません | 聽不懂 | ティンプトン |
トイレはどこ? | 洗手間在哪裡? | シーショウチエン ザイナーリ |
これください | 我要這個 | ウォ ヤオ チェーゴ |
いくらですか? | 多少錢? | ドゥオシャオチェン |
おいしい | 好吃 | ハオチー |
お会計お願いします | 買單 | マイダン |
ここに行きたい | 我想去這裡 | ウォ シャン チュー ジャーリー |
安くしてください | 請算便宜一點 | チンスワン ビェンイー イーディエン |
ミニ豆知識:
- 「内用(ネイヨン)」=店内で食べる
- 「外帶(ワイダイ)」=持ち帰り
- 「我要到〇〇(ウォ ヤオ ダオ〇〇)」=〇〇まで行ってください
- 「請寫一下(チン シェー イーシャー)」=書いてください
台湾では、短くても一言中国語を使うだけで、相手の対応がぐっと親しみやすくなります。翻訳アプリを使うのも便利ですが、機械翻訳だと意味が通じづらい場合もあるため、伝えたいことはなるべく簡潔に。スマホのメモ帳に漢字で目的地やフレーズを書いておくのもおすすめです。
台湾語(閩南語)も広く使われていますが、観光では基本的に「台湾華語(北京語)」が使われますので、上記フレーズがあれば十分対応可能です。
クレジットカード事情と現金の使い分け

台湾旅行では、現金もカードも両方使う場面があるため、うまく使い分けることが旅の安心と快適さにつながります。特に初めての訪問では、どこで両替をすれば良いか、カードはどこで使えるのか、事前に把握しておくと安心です。
まず、両替について。最も安心できるのは空港の両替カウンターや市内の銀行です。桃園空港や台北松山空港には複数の両替所があり、到着後すぐに台湾元(TWD)を手にすることができます。空港は手数料やレートがやや不利になることもありますが、安全性と利便性を考えると最初に必要な分は両替しておくのがおすすめです。
市内に出れば、玉山銀行、台湾銀行、星展銀行(DBS)などの主要銀行でも両替が可能です。ただし、銀行の営業時間は平日9時〜15時30分頃までと短いため、タイミングには注意が必要です。パスポートの提示が必要なので、必ず持参しましょう。
街中にある公認両替所も選択肢の一つです。政府認可のステッカーが掲示されている店舗を選べば安心で、銀行よりも良いレートを提示していることもあります。ただし、路地裏などにある非公認の両替所や個人経営の業者はトラブルのもとになるため、絶対に避けましょう。
ホテルやショッピングモールでも両替可能な場所はありますが、レートが悪く、手数料が高い場合が多いため、緊急時以外はおすすめしません。
次にクレジットカードについて。台湾の都市部では、カード決済の普及率が高く、ホテル、大型モール、百貨店、ブランドショップ、スターバックスやマクドナルドといった国際チェーンではスムーズに利用できます。Visa、Mastercard、JCBといった主要ブランドであれば問題ありません。カード利用による手数料はおおよそ1.6%前後で、現金両替よりも割安になることが多いです。
一方で、夜市や屋台、ローカルな食堂や個人商店などでは、現金払いが基本です。小銭が必要になる場面も多いため、20元・50元・100元紙幣を中心に持ち歩いておくと便利です。コンビニや一部スーパーではクレジットカードが使える店舗もありますが、すべてではないため「現金必須」と考えておいた方が無難です。
タクシーやバスなどの交通機関も、基本は現金払いですが、台北のMRTでは「悠遊カード(EasyCard)」や「iPASS」などの交通ICカードが主流になってきています。これらのカードはチャージ式で、駅やコンビニでも購入・チャージが可能。1枚あると交通機関だけでなくコンビニや観光施設でも使えて便利です。
お金の管理面でもいくつかコツがあります。まず、現金は必要な分を小分けにして持ち歩くこと。全額を財布に入れず、ポーチやバッグ内に分散させるとスリ対策になります。また、クレジットカードは異なるブランドで2枚以上持参すると、万が一の利用停止や紛失時にも対応できます。
現地のATMでは、国際キャッシュカードやクレジットカードを使って現地通貨をキャッシングすることも可能です。主要コンビニや銀行のATMを使えば、日本よりレートが良いこともあるため、必要に応じて活用しましょう。
季節ごとの持ち物対策

台湾は年間を通して温暖で湿度が高く、日本の四季とは異なる特徴があります。気温の割に蒸し暑かったり、冷房が強すぎたり、突然のスコールに遭遇することも。旅行時期によって気候が大きく異なるため、服装や持ち物を工夫することが快適な滞在のカギになります。
春(3月~5月):寒暖差と梅雨に注意
- 気温:台北で18〜24℃、高雄で21〜27℃と日本の初夏のような気候
- 特徴:5月頃から梅雨入りし、雨の日が増える
服装の目安
- 薄手の長袖やTシャツ
- カーディガンや軽めのジャケット(朝晩や冷房対策に)
- スニーカーなど歩きやすい靴
持ち物のポイント
- 折りたたみ傘やレインコート(梅雨対策)
- 日焼け止め、水筒、虫除けグッズ
夏(6月~9月):猛暑とスコール・台風シーズン
- 気温:台北で27〜29℃、高雄では30℃超えも普通
- 特徴:蒸し暑く日差しが強烈、突然のスコールや台風も発生
服装の目安
- 通気性の良い半袖Tシャツ、ショートパンツ、ワンピース
- サンダルや軽量スニーカー
- 冷房対策の薄手羽織り
持ち物のポイント
- 折りたたみ傘、レインコート
- サングラス、帽子、日焼け止め
- 水分補給グッズ、虫除けスプレー
秋(10月~11月):観光にベストシーズン
- 気温:台北で21〜24℃、高雄で24〜27℃
- 特徴:台風が終わり、天候が安定する過ごしやすい季節
服装の目安
- 夏服+羽織りもの(朝晩や室内冷房対策に)
- 長袖シャツやロングTシャツ
持ち物のポイント
- 折りたたみ傘(日差しや急な雨対策)
- 日焼け止め、水筒
冬(12月~2月):意外と冷えることも
- 気温:台北で15〜18℃、高雄で18〜20℃
- 特徴:北部は雨や霧雨が多く、体感温度は低め
服装の目安
- ロングTシャツ、セーター、カーディガン
- 薄手のコートや防風ジャケット
- 女性はスカート+タイツもおすすめ
持ち物のポイント
- 折りたたみ傘、防水性の靴やレインジャケット
- マフラー、手袋(寒がりな方や山間部観光時)
年間共通の服装&持ち物ポイント
- 重ね着で調節:冷房対策や朝晩の気温差に対応できるよう、羽織れる服を1枚持っていくと安心
- 雨具は必須:台湾は突然の雨が多いため、晴れていても折りたたみ傘は常備
- 靴は歩きやすさ重視:スニーカーやサンダルで夜市や観光も楽々
- 紫外線・虫対策:春~秋は日差しも強く虫も多いため、日焼け止めと虫除けは持参推奨
季節別まとめ表
季節 | 服装例 | 持ち物対策 |
---|---|---|
春 | 薄手長袖+羽織り/Tシャツ+カーディガン | 折りたたみ傘、日焼け止め、水筒、虫除け |
夏 | 半袖Tシャツ、ショートパンツ、サンダル | 折りたたみ傘、レインコート、帽子、サングラス |
秋 | 夏服+羽織り、長袖シャツ、ロングTシャツ | 折りたたみ傘、日焼け止め、水筒 |
冬 | ロングTシャツ、薄手セーター、コート、タイツ | 折りたたみ傘、防水靴、マフラー、手袋 |
ポイント:
台湾は「夏服+羽織り+雨具」が基本装備。旅行前に天気予報を必ずチェックし、現地の気温や降水確率に応じて準備を最終調整しましょう。特に高雄など南部は1年中夏のような暑さなので、涼しい服装が役立ちます。
トラブル時の対処法

旅行中はできれば避けたい病気やケガ、盗難などのトラブル。でも万が一のときに慌てないためには、現地の対応方法や連絡先を知っておくことが大切です。台湾は外国人旅行者向けのサポート体制が充実しており、日本語での相談窓口も多数あります。
1. 病気・ケガの場合
緊急時の救急車:119番に電話
ケガや急な体調不良で救急車を呼びたいときは、消防と救急の番号である「119」に電話します。言葉に不安がある場合は「Japanese Please」と伝えると、日本語通訳につないでもらえることがあります。
日本語対応の病院
台北や台中には、日本語が通じる病院があります。下記は一例です:
- 台安医院(Tai An Hospital)
台北市松山区八徳路二段424号 2階/TEL:02-2771-8151
日本語予約・診察・薬の受け取りが可能 - 大里仁愛病院(台中市)
日本語ホットライン:0928-928-403 - その他:国泰総合医院、馬偕紀念医院、台北栄民総医院など
ホテルのフロントや駅の観光案内所に相談すれば、通訳付きで紹介・手配してくれることもあります。
軽症の場合は薬局も活用可
市街地のドラッグストアでは、日本製の薬や風邪薬、胃腸薬が手に入ることもあります。ただし成分が異なる場合もあるので、体に合わない薬は避けましょう。
2. 犯罪・盗難・事故などのトラブル時
警察:110番
スリや盗難、交通事故に遭ったときは「110」に通報。通報時も「Japanese Please」と伝えることで、日本語対応の通訳につながる場合があります。
警察での手続き
被害に遭ったら、現場を管轄する警察署で被害届を出し、受理書をもらいましょう。パスポート再発行や保険請求に必要になる場合があります。
外国人向け警察窓口(外事服務站)
- 台北:02-2556-6007(24時間・日本語対応スタッフ在籍の場合あり)
- 高雄:07-215-4342(24時間)
- 台中:0922-958-110(外事科)
パスポート紛失時の連絡先
- 日本台湾交流協会 台北事務所(領事館相当):02-2713-8000
- 高雄事務所:07-771-4008
再発行やトラブル時の各種サポートが受けられます。
クレジットカード・スマホの紛失
盗難や紛失時は、すぐにカード会社・携帯会社に連絡し利用停止を依頼。あわせて最寄りの警察署に遺失届も提出してください。
3. 観光サポート・相談窓口
観光局ホットライン(24時間・日本語対応)
📞0800-011-765:旅行中のトラブル全般を日本語で相談可能。とても心強い存在です。
観光トラベルサービスセンター
主要駅や観光地にある「i」マークが目印の案内所。観光案内はもちろん、緊急時の対応も相談できます。
移民署外国人ホットライン:1990
生活全般の相談が可能で、日本語・英語・中国語に対応。年中無休でサポートがあります
4. 主要連絡先まとめ表
内容 | 連絡先 | 対応言語・備考 |
---|---|---|
警察 | 110 | 「Japanese Please」で通訳可 |
救急・消防 | 119 | 「Japanese Please」で通訳可 |
台北警察局外事服務站 | 02-2556-6007 | 24時間・日本語対応可 |
日本台湾交流協会(台北) | 02-2713-8000 | パスポート・総合相談 |
日本台湾交流協会(高雄) | 07-771-4008 | 同上 |
観光局ホットライン | 0800-011-765 | 24時間・日本語OK |
移民署外国人ホットライン | 1990 | 日本語・英語・中国語対応 |
5. トラブル時のポイント
- まずは落ち着いて対応を:ホテルや案内所も心強い味方です。
- 大事な書類のコピーを携帯:パスポート、海外旅行保険証、緊急連絡先リストなどをスマホや紙で持参。
- 日本語対応病院や警察の番号をスマホに登録しておくと、いざという時にスムーズです。
まとめ
記事をまとめます。
- 台湾の治安は比較的良好だが、スリやひったくりには要注意
- 夜市や観光地では貴重品を体の前に持ち歩くのが鉄則
- トイレは「流せるかどうか」を必ず確認。ティッシュは持参を
- 水道水は飲まず、ペットボトル水を常備するのが安全
- ネット環境はSIMカードかポケットWi-Fiが便利で安価
- MRTやバスでは飲食禁止、優先席のマナーも要確認
- 夜市では立ち食いが基本。衛生面は自己判断が重要
- ドライヤーなど家電は「100V専用」なら変圧器が必要
- MRTや公共の場で大声を出すのはマナー違反
- 時計や白封筒などは贈り物にNG。文化的な配慮を
- 台湾では日本語が通じる場所と通じない場所が分かれている
- 簡単な中国語フレーズや筆談が役立つシーンが多い
- 両替は空港・銀行・公認両替所が安心。現金とカードは併用を
- 季節や天気に合わせた服装・持ち物準備で快適度が大きく変わる
- 病気・トラブル時は日本語対応の病院やホットラインを活用