台湾旅行の準備中、「パスポートって毎日持ち歩いた方がいいの?」と悩んだことはありませんか?
治安の良い台湾とはいえ、観光中に必要になる場面や紛失時のリスクも気になるところ。
この記事では、パスポートの携帯が義務化されている台湾の事情をふまえながら、実際に必要な場面や持ち歩く際の注意点、もしものときの対処法まで丁寧に解説します。
旅行初心者の方でも安心して読めるよう、現地の最新情報やリアルな体験談も交えてお届けします。
- 台湾ではパスポート原本の携帯が法律で義務付けられている
- コピーでは代用できない場面が多く、原本の提示が必要になることが多い
- 紛失や盗難に備えて、安全な携帯方法と対処法を知っておくことが重要
- 旅行保険の補償条件や申請の流れも事前に確認しておくと安心
台湾旅行でパスポートを持ち歩くべき?現地事情と判断ポイント
- 台湾でパスポートの携帯義務はある?
- ホテルのセーフティボックスは安全?
- パスポートのコピーは代用できる?
- 観光中に身分証明書が必要なシーンとは?
- SIMカードや両替時に求められる証明書
台湾でパスポートの携帯義務はある?

台湾では外国人旅行者に対して、パスポートの原本の常時携帯が法律で義務付けられています。つまり、観光やショッピングなどで街を歩いている間も、基本的にはパスポートを持ち歩く必要があります。これは、警察や公的機関から身分証明を求められた際に、すぐに提示できるようにするためです。
実際のところ、交通違反や軽微な事故、旅先でのトラブルに巻き込まれた場合など、思わぬ場面で身分確認を求められることがあります。また、ホテルのチェックインや銀行での両替、免税手続き、SIMカード購入時など、パスポートの提示が必要な機会も多く、コピーだけでは手続きが進まないケースが一般的です。
台湾は治安が良いことで知られていますが、それでもスリや置き引きのリスクはゼロではありません。特に夜市や人混みが多い観光スポットでは注意が必要です。そのため、パスポートはカバンの中に無防備に入れておくのではなく、首下げ型のパスポートケースやセキュリティポーチを使って肌身離さず管理するのがおすすめです。
万が一、パスポートを紛失してしまった場合は、すぐに最寄りの警察署に届け出て「紛失証明書」を発行してもらい、台北市内の日本台湾交流協会(日本大使館の代替機関)で再発行手続きを行う必要があります。旅行中の時間を無駄にしないためにも、紛失や盗難対策はしっかりと行いましょう。
結論として、台湾旅行中はパスポートのコピーではなく原本を必ず携帯することが必要です。万一のトラブルに備えて、安全に管理する手段もあらかじめ準備しておくと安心です。
ホテルのセーフティボックスは安全?

台湾旅行中、パスポートを常に持ち歩くのが不安な人にとって、ホテルのセーフティボックスは一つの選択肢になります。セーフティボックスは一般的にパスポートや現金、カード類などの貴重品を安全に保管するための設備として、多くのホテルに設置されています。ただし「絶対安全」とは言い切れず、利用にはいくつかの注意点があります。
セーフティボックスは部屋の中に備え付けられているタイプと、フロントで預けるタイプがあります。部屋のボックスは暗証番号式が多く、使い勝手はよいですが、管理がずさんな宿ではスタッフによる不正アクセスが問題になることも。格安ホテルや管理体制が不明な施設では、ボックスの鍵が複製されていたり、番号リセットが可能だったりするリスクもあるため、信頼性にばらつきがあります。
高級ホテルでは防犯対策がしっかりしており、利用者自身によるパスコード設定が可能で、さらに監視カメラやログ管理も行われている場合が多いため、安心感があります。ただしどんな施設でも、チェックアウト時の貴重品の取り忘れや、暗証番号の設定ミスなど人的ミスは起こり得るので注意が必要です。
セーフティボックスを使う際には、ロックがきちんとかかっているか、暗証番号を忘れないようにすることをしっかり確認しましょう。万一の盗難に備えて、パスポートやカード類のコピー、デジタルスキャンをスマホやクラウドに保存しておくのもおすすめです。
ホテルのグレードや信頼度、現地の治安、自分の行動スタイルに応じて、パスポートの管理方法を柔軟に選ぶことが大切です。もしセーフティボックスに不安がある場合は、フロントでの預かりを依頼することもできますが、こちらも人的なミスの可能性があるため、過信は禁物です。
パスポートのコピーは代用できる?

台湾旅行中に「パスポートを常に持ち歩くのが心配」と感じる方の中には、コピーで代用できないかと考える人も多いかもしれません。結論から言うと、パスポートのコピーが一部の場面では代用可能なケースもある一方で、公式な手続きや身分証明では原本の提示が必須となることがほとんどです。
例えば、SIMカードの購入やコンビニ・スーパーなどでのお酒の購入といった簡単な本人確認の場面では、パスポートのコピーやスマートフォンに保存した画像などでも対応してもらえることがあります。また、万が一パスポートを紛失した場合にも、コピーがあることで警察への届け出や、日本台湾交流協会での再発行手続きがスムーズに進むというメリットがあります。
一方で、両替所、ホテルでのチェックイン、銀行での手続き、免税品の申請、また出入国管理に関連する手続きなど、法的に身分証明が必要な場面では原本が必須です。コピーではその場をしのげないことが多く、手続きが止まってしまうケースも報告されています。特に、コピーで済むと思い込んで原本をホテルに置いたままにしてしまい、結果として外出先でトラブルになるケースも少なくありません。
コピーの有効な使い方としては、あくまで「補助的な情報」としての役割を持たせることです。スマホにPDFや写真として保存しておくほか、紙のコピーを1枚財布や荷物に忍ばせておくのもよいでしょう。複数の場所に分散して保管することで、万が一の紛失や盗難時にも対応しやすくなります。
とはいえ、台湾では外国人に対してパスポートの携帯義務がある以上、原本を持ち歩くのが基本です。コピーだけで済ませようとせず、**「コピーは補助、原本が基本」**という意識を持って行動することが、トラブル回避のカギになります。
観光中に身分証明書が必要なシーンとは?

台湾旅行では、観光を楽しむ中でも意外と多くの場面でパスポートの提示を求められることがあります。特に日本のようにコピーで済むケースが少なく、原本の携帯が前提となっている点には注意が必要です。以下に、旅行者が実際に身分証明を求められる主なシーンを紹介します。
まず、ホテルのチェックイン時には、ほぼすべての宿泊施設でパスポート原本の提示が必須です。台北や台中、高雄の中級〜高級ホテルでは、チェックイン時にパスポートの番号や発行国、滞在期間などを記録するためにスキャンされることも一般的で、提示できなければ宿泊を断られることもあります。
また、銀行や両替所では、特に一定額以上の両替をする場合や銀行窓口を利用する際にパスポートの提示が必須になります。私自身、台北市内の中国信託商業銀行で両替した際、パスポート原本の確認が求められました。コピーでは受け付けてもらえず、再度ホテルに取りに戻る羽目になったことがあります。
ショッピングでも、免税対象となる店舗や高額商品(例:ブランド品)を購入する場合、免税申請にパスポート原本が必要です。特に空港外で購入する際は、商品を受け取るときや税金の払い戻し時に提示が求められます。
さらに、万が一トラブルや事故に遭った場合、警察官による本人確認が行われることがあります。法律上、台湾では外国人にパスポートの常時携帯が義務付けられているため、提示できないとややこしい手続きになる可能性があります。
その他にも、病院で診察を受けるとき、SIMカードを購入するとき、レンタカーや電動バイクを借りるときなど、旅行中に身分証の提示を求められる場面は意外と多いです。これらはすべて「本人確認」を伴う手続きであり、コピーでは対応できないケースがほとんどです。
観光地や繁華街での抜き打ちチェックは稀ではありますが、法律上はいつでも提示できる状態であることが求められています。コピーを用意しておくことは万が一の備えとして重要ですが、日常の観光では原本を安全に持ち歩く準備をしておくのがベストです。
SIMカードや両替時に求められる証明書

台湾旅行中、現地で通信手段を確保したり、日本円を台湾ドルに両替したりするには、パスポートの原本提示が必須です。これらの手続きでは、コピーではなく実物の提示が求められるため、外出時にパスポートを携帯しておく必要があります。
まず、SIMカードの購入について。台北桃園国際空港や松山空港などにある中華電信、台湾大哥大、遠傳電信といった大手キャリアのカウンターでは、パスポートのみで購入可能な場合が多いです。ただし、まれに第二の身分証明書(顔写真付きの日本の運転免許証やマイナンバーカード)を求められるケースもあるため、持っていれば一緒に携帯しておくと安心です。
私の体験では、桃園空港の台湾大哥大でSIMを購入した際はパスポートだけでスムーズに購入できましたが、別の旅行者が市内の中華電信の店舗で契約をしようとしたところ、第二の身分証明書がないと断られてしまっていました。市内店舗では身元確認がより厳しく、顔写真付きの補助証明書が必要になるケースが多いようです。
次に、両替について。台湾では銀行やショッピングモール内の両替所など、正規の場所で日本円を台湾ドルに両替する際には、パスポートの提示が必須条件です。提示を拒否したり、コピーを出したりしても、手続きは進みません。必要なのは、「パスポート原本」と「両替する日本円」の2点です。
両替所によっては、パスポート番号や発行日を記録し、手続き書類にサインを求められることもあります。短時間で済む手続きですが、パスポートなしでは受付不可なので注意が必要です。
シーン | 必要な証明書 |
---|---|
SIMカード購入(空港) | パスポート(+場合により第二の身分証明書) |
SIMカード購入(市内) | パスポート+第二の身分証明書(顔写真付き) |
両替(銀行・両替所) | パスポート |
観光の合間に立ち寄ることも多い手続きですが、いずれもパスポート原本の携帯が必須です。紛失しないようセキュリティポーチなどで安全に管理し、必要な場面でスムーズに提示できるようにしておきましょう。
台湾旅行でパスポートを持ち歩くべき?安全対策と備え
- ロッカーやセーフティボックスの利用時の注意点
- 紛失したときの対処法と再発行の流れ
- トラブル体験談に学ぶ予防策
- パスポート紛失時、警察や機関の対応は?
- パスポートトラブルに対応できる旅行保険とは?
ロッカーやセーフティボックスの利用時の注意点

台湾旅行中、大きな荷物や一時的に使わない荷物を預ける手段として、駅や施設のコインロッカー、ホテルのセーフティボックスを活用することはとても便利です。しかし、これらはあくまでも「便利な保管場所」であり、貴重品の保管にはリスクも伴います。利用時には注意点をしっかり把握しておきましょう。
まず、台北MRTや台湾鉄道(台鉄)などに設置されているコインロッカーを利用する際の注意点です。台湾では原則としてパスポート、現金、貴重品のロッカー預け入れは禁止されています。もし盗難や紛失が発生しても補償は一切ありません。私は以前、西門駅のロッカーに荷物を預けた際に、近くで「貴重品を入れて鍵をなくした」という旅行者が駅員に相談している場面に遭遇したことがあり、注意の必要性を実感しました。
ロッカーを利用すると、パスワードの入力レシートや預かり表が発行されることが多く、これを紛失すると自分の荷物が取り出せなくなったり、再発行手数料がかかったりすることがあります。スマートフォンでレシートの写真を撮る、あるいは手書きでメモを残すなどして管理を徹底しましょう。
また、保管時間の制限にも注意が必要です。台北MRTでは基本的に24時間以上預けられず、それを超えると荷物は管理事務所へ移されることがあります。台鉄の「行李房」では最長7日まで預けられますが、1日ごとに料金が加算されます。長時間利用の予定がある場合は、有人の荷物預かり所を利用するのがおすすめです。
支払い方法にも注意しましょう。ロッカーによっては交通系ICカードやスマホ決済が使えますが、古い機種では現金のみ対応のこともあります。小銭の準備は忘れずに。また、ロッカーのサイズが小さい駅もあるため、大きなスーツケースを持っている場合は、事前に設置場所とサイズを確認しておくとスムーズです。
次に、ホテルのセーフティボックス利用時の注意点です。セーフティボックスは、部屋に設置された金庫に暗証番号や鍵を使って施錠するタイプが多く、パスポートや現金など貴重品の一時保管に利用されます。ただし、セーフティボックスも100%安全とは限らず、特に格安ホテルでは管理が不十分なケースもあります。
使用時は必ずロックがかかっているか確認し、暗証番号を忘れないよう注意しましょう。チェックアウトの際に貴重品を取り忘れるケースも多いため、外出前や帰る前には必ず中を確認する癖をつけておくと安心です。
また、台湾は基本的に治安が良い国ですが、夜市や観光地など人が密集するエリアではスリや置き引きが発生することもあります。できるだけ貴重品は肌身離さず持ち歩くか、信頼できる宿泊施設のセーフティボックスに保管するようにしましょう。
紛失したときの対処法と再発行の流れ

台湾旅行中にパスポートを紛失してしまった場合、まず大切なのは「落ち着いて、順を追って行動すること」です。慌ててしまいがちですが、必要な手続きをひとつずつこなせば、確実に解決へと向かいます。
まずやるべきことは、心当たりのある場所を丁寧に探すことです。宿泊先の部屋、利用したレストラン、観光地、移動手段などを再確認し、それでも見つからない場合は、すぐに紛失手続きを始めましょう。
次に、最寄りの出入国及び移民署(National Immigration Agency)に行って、紛失・盗難証明書を発行してもらいます。台湾では、基本的に警察署ではなく移民署での手続きが必要になります。必要な持ち物は「写真2枚(4.5×3.5cm)」で、撮影設備が整っている移民署もあるため、その場で撮ってもらうことも可能です。
証明書を受け取ったら、**日本台湾交流協会(台北事務所または高雄事務所)**へ向かいます。ここで「紛失一般旅券等届出書」を提出し、状況に応じて「帰国のための渡航書」または「新規パスポート」の申請を行います。
- 短期滞在や緊急帰国の場合は、**即日発行される「帰国のための渡航書」**の取得が基本。これは日本への直行便でのみ有効です。
- 一方、台湾での滞在を続けたい場合や、時間に余裕がある場合は、「新規パスポート」の再発行を選択します。発行までには2〜3週間ほどかかるのが一般的です。
いずれの手続きでも、以下のような書類が必要になります。
- 紛失一般旅券等届出書(窓口で記入)
- 移民署で発行された紛失証明書
- 写真(4.5×3.5cm、6か月以内撮影)
- 戸籍謄本または本籍地記載の住民票(日本から送付が必要な場合あり)
- パスポートのコピー(あれば手続きが円滑)
- 身元確認書類(運転免許証、保険証など)
**特に注意すべきなのは「代理申請不可」という点です。**必ず本人が窓口に行く必要があります。戸籍謄本などの書類は日本の家族に頼んでデータを送ってもらったり、EMSで取り寄せたりする準備が必要です。
手数料は、「帰国のための渡航書」が690台湾元、新規パスポート(10年)が3,650元、5年なら2,510元程度。必要書類さえ揃えば手続きはスムーズに進みますが、再発行されたパスポートは有効期限が短くなる場合があるので注意しましょう。
再発行手続きの流れ(まとめ)
1.渡航書は即日、新規パスポートは約2〜3週間で受け取り
2.紛失に気付いたら、移民署で「紛失・盗難証明書」を取得
3.日本台湾交流協会で「紛失一般旅券等届出書」を提出
4.「渡航書」または「新規パスポート」を申請
5.必要書類を用意し、本人が窓口で手続きを実施
トラブル体験談に学ぶ予防策

台湾はアジアの中でも特に治安が良いとされており、初めての海外旅行にもおすすめされる国です。しかし、安心しすぎて油断すると、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうことも。ここでは実際の体験談や報告例をもとに、よくあるトラブルとその予防策を紹介します。
まず多いのが、スリや置き引き、ひったくりです。特に西門町や士林夜市、台北101周辺などの繁華街、そしてMRT構内や大型デパートなどでは注意が必要です。ある旅行者は、夜市で食事中に背後からバッグを開けられ、パスポートと現金を盗まれてしまいました。こうした被害を防ぐには、バッグは体の前で持ち、貴重品は分散して収納することが重要です。ファスナーはしっかり閉め、人混みでは常に意識を向けるようにしましょう。
次に、両替やATMに関するトラブルです。現地の方がレートが良いと聞いて、空港ではなく市内の両替所で両替したものの、実際は手数料込みで損をしてしまったというケースも。ATMでの引き出しにも制限や対応不可なカードがあるため、出発前にカードの利用可能条件を確認しておくこと、そして最低限の現金は日本で両替して持っていくことが安心です。
続いて、食中毒などの衛生トラブルも報告されています。夜市の人気屋台で食事をした後に体調を崩し、数日ホテルで寝込むことになったという体験談もあります。対策としては、食材の扱いや屋台の清潔さを目で見て判断すること、そして不安があれば避けるという「直感」も大切。下痢止めや整腸剤など、常備薬を準備しておくと安心です。
また、ぼったくりや料金トラブルにも注意が必要です。観光客向けのレストランで、注文していない品の料金を追加で請求されたという例もあります。タクシーではメーターを使わず高額請求されたという話も。メニューに価格が表示されている店を選ぶこと、支払い時は必ずレシートを確認すること、タクシーは必ずメーターを確認することが基本です。
さらに、言語の壁によるコミュニケーショントラブルも。日本語が通じると思い込んで困ったという声はよく聞きます。翻訳アプリや指差し会話帳を使う、事前に目的地や料理名を繁体字でメモしておくなどの準備をしておくと安心です。
交通に関しても、台湾の道路は歩行者優先ではない場面も多く、青信号でもバイクが突っ込んでくることがあります。信号だけで判断せず、左右の確認を忘れずに。また、夜間や人通りの少ないエリアの一人歩きは控えましょう。
その他にも、MRT内での飲食は禁止であり、違反すると罰金が科されます。また、トイレットペーパーを流せないトイレが多いため、備え付けのゴミ箱に捨てる必要があります。そして、レシートは台湾の宝くじとして使えるため、捨てずに保管しておくのもお得な豆知識です。
台湾旅行のトラブル予防チェックリスト
- 貴重品は分散して管理、バッグは前持ちで
- 両替やATMは事前に手数料とレートを比較
- 食事は清潔な店を選び、体調管理も大切に
- 価格・お釣りは必ずその場で確認する
- 翻訳アプリや繁体字メモで言語対策
- 横断歩道でも左右確認、夜の一人歩きは避ける
- MRTルールやトイレの使い方も事前に理解
- レシートは宝くじになるので保管しておく
「台湾は安全」と油断せず、現地で自分の目で確かめ、きちんと準備をして行動することが、楽しい旅を守る最善の方法です。

パスポート紛失時の台湾での警察や機関の対応

台湾旅行中にパスポートを紛失してしまった場合、現地の警察や出入国関連の機関は比較的スムーズかつ丁寧に対応してくれることで知られています。ただし、日本と手続きの流れや受け付け窓口が異なるため、どこに行くべきかを知っておくことが重要です。
まず、最初に向かうべきは**最寄りの出入国及び移民署(National Immigration Agency/NIA)**です。ここでは、パスポートを失くした旨を申告し、「紛失証明書(外国護照遺失/尋獲報案紀錄表)」を発行してもらいます。この証明書がないと、再発行や帰国手続きに進むことができません。
写真が2枚(4.5×3.5cm)が必要で、移民署内に撮影ブースが設けられていることもあるので、現地で対応可能です。また、できれば運転免許証やマイナンバーカードなど、顔写真付きの日本の身分証明書があると手続きがスムーズになります。
警察署での対応については、基本的にパスポートのみを紛失した場合は受け付けてもらえないケースが多いです。ですが、盗難など犯罪の疑いがある場合や、旅行保険の申請に必要な証明書が欲しい場合には、「遺失届出証明願」などを発行してもらうことが可能です。顔写真付きの身分証明書があれば、警察署でも対応してもらえることがあります。
移民署は、台北・高雄の市街地だけでなく、桃園国際空港や高雄国際空港などの空港内カウンターでも対応可能です。パスポートの紛失に気づいた場所や状況に応じて、アクセスしやすい施設を選んでください。
その後、日本人旅行者が向かうべきは**日本台湾交流協会(台北事務所または高雄事務所)**です。ここで、「紛失一般旅券等届出書」を提出し、状況に応じて「新規パスポート」もしくは「帰国のための渡航書」の発行申請を行います。
- 帰国のための渡航書は即日発行され、日本への直行便にのみ使用可能です。
- 新規パスポートの再発行には通常2週間程度かかります。
申請には移民署の紛失証明書のほか、写真や戸籍謄本(または住民票)、パスポートのコピー、身元確認書類などが必要になります。
警察・機関の役割まとめ表
機関 | 主な対応内容 |
---|---|
警察署 | 盗難や保険申請時の証明書発行。身分証明書があれば紛失届出可能。 |
移民署 | 紛失証明書の発行、写真撮影も可能。パスポート紛失の正式届出窓口。 |
日本台湾交流協会 | 渡航書またはパスポート再発行の申請受付。本人が直接出向く必要あり。 |
補足ポイント
- 紛失証明書や警察発行の書類は保険申請にも使用できるため、必ず受領して大切に保管してください。
- パスポートの再発行や渡航書申請は、本人が窓口に行く必要があり、代理申請は不可です。
- 日本の家族と連絡を取りながら、戸籍謄本の送付や書類の準備を早めに進めておくと安心です。
台湾の公的機関は外国人旅行者への対応に慣れており、言葉が通じにくくても丁寧に対応してくれるケースが多いです。焦らずに必要書類を整え、順を追って行動することが、トラブル解決への近道になります。
パスポートトラブルに対応できる旅行保険とは?

台湾旅行中にパスポートを盗まれた、あるいは紛失してしまったというトラブルに備えて、旅行前に海外旅行保険の補償内容を確認しておくことは非常に重要です。ただし、どのようなケースでも保険が適用されるわけではないため、対応範囲と条件をしっかり理解しておきましょう。
まず基本となるのは、パスポートが「盗難に遭った場合」のみが補償対象になるという点です。多くの海外旅行保険では、「携行品損害補償特約」が付帯されていれば、パスポートの再発行にかかった費用や、手続きのために発生した交通費、宿泊費、証明写真代などが補償されます。保険会社によって補償上限額は異なりますが、一般的には3万〜5万円前後、多いところで10万円まで対応しているケースもあります。
一方で、パスポートを「うっかり失くした」「置き忘れた」などのケースは、ほとんどの保険で補償対象外です。これは本人の過失と見なされるためで、注意が必要です。旅行保険に加入しているからと安心せず、パスポートは常に自分でしっかり管理しておくことが基本です。
実際に盗難に遭った場合、保険金請求のためには現地で「盗難証明書(ポリスレポート)」を取得する必要があります。台湾では最寄りの警察署、または移民署で発行してもらえることが多く、言語の壁が不安であればホテルスタッフや現地の案内所に相談しましょう。
その後は、日本台湾交流協会などで再発行の手続きを行い、パスポート再発行費用の領収書、交通費・宿泊費の明細や証明写真の領収書など、全ての関連書類をきちんと保管しておきます。再発行に関する書類のコピーや手続き時に撮影した写真なども、請求の補足資料として役立つことがあります。
パスポート盗難時に補償される主な費用
- パスポート再発行手数料
- 再発行手続きのための交通費
- 手続きのための宿泊費
- 証明写真代
- 必要に応じて通訳費用
保険金請求の流れ(盗難の場合)
- 警察署または移民署で盗難証明書(ポリスレポート)を取得
- 日本台湾交流協会で再発行の手続きを実施
- 領収書や証明書類(交通費・宿泊費・写真代など)を保管
- 保険会社へ必要書類を揃えて請求
注意点
- 紛失や置き忘れは保険対象外
- 盗難証明書(原本)と領収書が必須
- 加入時に「携行品損害補償特約」が含まれているかを要確認
万が一の際に備え、**出発前に保険の内容を見直し、証拠書類の保管や証明書取得の流れを把握しておくことが大切です。**海外旅行保険は、旅の安心を支える大切な備え。パスポートの再発行は想像以上に手間も費用もかかるので、保険がカバーしてくれるかどうかで安心感が大きく変わります。
台湾旅行でパスポートを持ち歩くべきか迷ったときのポイントまとめ
- 台湾では外国人にパスポートの携帯義務が法律で定められている
- ホテルのセーフティボックスは便利だが100%安全ではない
- コピーは一部の場面で代用できるが、原本が必要な手続きが多い
- SIMカード購入や両替など、日常的にパスポート提示が求められる場面がある
- ロッカーや荷物預かりにはパスポートや現金を預けないこと
- 紛失時は移民署で紛失証明書を取得し、日本台湾交流協会で再発行申請
- 警察署では盗難証明や保険申請用の証明書を発行してもらえることもある
- 海外旅行保険でパスポート盗難時の費用が補償されるケースがある
- 紛失や置き忘れは保険の補償対象外なので日頃の管理が重要
- トラブル体験談から学ぶべきは「油断しない」こと
- MRTでは飲食禁止、トイレットペーパーが流せないトイレも多い
- 台湾の交通マナーは日本と異なり注意が必要
- 言語の壁を越えるには翻訳アプリや指差しツールの活用がおすすめ
- レシートは台湾独自の宝くじ制度に活用できるので保管しておこう
- パスポートは分散管理・防犯対策をして、安全に携帯するのがベスト